今日は猫をお休みし、漫画の海を泳ぎますよー。
※記事内で使用している画像はすべて『鏡の前で会いましょう』(作者:坂井恵理)より引用させていただいております。
今回ご紹介するのは、『鏡の前で会いましょう』という作品です。作者は、坂井恵理さん。今回で初めて読んだ漫画家さんでした。
あらすじをざっと読んで、よくある「入れ替わりもの」かなと思ったのですが、読んでみたらなかなか面白かったのでご紹介したくなりましたー!
どんな話?
内容紹介
美人になったら
幸せになれると思ってた――。「可愛い」とは正反対、不動明王似の〈明子〉。それでもそれなりに楽しく生きていた。親友で美人な〈まなちゃん〉としこたま飲んだ翌朝、目が覚めるとビックリすることが起こっていて――! アラサー女子の美醜をめぐる、鮮烈ストーリー!
美人になったら幸せになれると思ってた――。「可愛い」とは正反対、不動明王似の〈明子〉。それでもそれなりに楽しく生きていた。親友で美人な〈まなちゃん〉としこたま飲んだ翌朝、目が覚めるとビックリすることが起こっていて――! アラサー女子の美醜をめぐる、鮮烈ストーリー!
(Amazon商品紹介ページより)
正直、また「入れ替わりもの」かぁと思ったんですよね。男女が入れ替わる、友だち同士で入れ替わる、父と娘が入れ替わる、使いまくられている設定なので正直飽き気味で…
今回は、女子同士の入れ替わりものということだったので、入れ替わった相手が、「返したくない」とかって揉めたりするんじゃないのどうせ、と斜めに読み始めたんですが。あらやだ面白い。
単なるコンプレックスのぶつけあいだけじゃないところがとても良いんです。
どんなキャラクターが出てくるの?
各務明子(かがみあきこ)通称:みょーこ
不動明王に「顔が似ている」「名前(=明子)が似ている」と、とからかわれて以来、「みょーこ」と呼ばれ、それを受け入れて生きてきた女子。
嬉しいはずなんて無いのに、「美人ではない自分には、これが合っている設定なんだ」と自分を納得させているという哀しさ。
愛美(まなみ) 通称:まなちゃん
みょーこの友だち。
見かけも中身、正反対の可愛い女子。美人なのに、自分にまったく自信がない。いつもすっぴん、素材はいいのに着飾ることを避けている。
みょーこからすると不思議でならなかったけれど、実は、自信がないだけではなく、支配型母親のせいで、自身がない状態だった。(うまいこというな)
おすすめのポイントなどなど
美人と入れ替われたら最高ですよね。あの顔だったら、あのスタイルだったら、あれもしたい、これもしたい、いろんなところに行きたい、と死ぬほど思います。
みょーこも、まなちゃんの身体になったことが楽しくて、着てみたかった服を着たり、行ってみたかった化粧品カウンターに行ったり、浮気されて別れた元カレを誘惑に行ってみたりするんですよね。
これはもう、分かり味が過ぎます。自分が入れ替わってもそうするでしょう。間違いなく。
ただ、入れ替わったまなちゃんの生活を知ってみたら。
一緒にお風呂に入って、一緒に寝て、生理周期まで把握していたがる母親が居た。ただ友だちだった時には「仲の良い母娘」に見えていたけれど、その関係は度を越した歪んだ愛情だった。
はたから見ていた「幸せ」も、裏をのぞいてみたらただのハリボテだったというのはよくあることなのかもしれません。
一方、「美人ではない」状態を初めて体験するまなちゃんはというと。
その身体の持ち主の前だから、ということもあるんでしょうが、まるきり悪しざまに言ったりはしません。「美人」である自分を楽しめていなかったまなちゃんには、新鮮に映った、ただそれだけのことだと思うんだけど、こういう風に「良いところ」に目を留められるってすごくいいなぁと。
身体が入れ替わったことで、自分が越えなければいけない壁が見えてくる。ふたりがそれぞれどういう風に変わっていくのか、続きが非常に楽しみです。
ひとことまとめ
「入れ替わり」って、だいぶ使い古されているネタだと思います。男女を変えたり、動物や物と入れ替わらせたり、関係性をいじったり、すでにいろんなパターンが出ていますよね。
その中でも、シンプルな女性同士の友情ものなのに、読み応えのある設定になっているのがとってもいいですね。アラサー女子というのもうまい。年齢的に、仕事や社会でのポジションなどに悩みだすタイミングだと思うので、抱えている悩みに共感できる人も多いと思いますよー。
出版社など
出版社:講談社
pixivさんのサイトで一部読めます。
ちなみに、友だち同士で入れ替わる話で面白かったのは、こちらの「宇宙(そら)をかけるよだか」です。こちらは、3人入れ替わったりしますよ。
NETFLIXでドラマ化もされてる…!